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難しい判断・厳しい決断に至るまで

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土用過ぎの暑い季節が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

全国的にも酷暑による熱中症が報じられておりますので、皆様もどうぞお体にご自愛ください。

さて、突然ですが皆様は何かの判断や決断を迫られた時、意思決定に至るまでのプロセスをどれだけ意識されているでしょうか。

私生活上での小さな判断から仕事上での職掌、職位に応じた責任を問われる大きな決断と、日々様々な物事に対して大小多岐に渡る判断や決断を下すことがあるかと思います。

特に明確な正解がなく、50:50と甲乙つけ難いシーンにおいては、意思決定にいたるまでのプロセスをしっかりと踏んでおく事がなによりも肝要だと感じます。

例えば、ある二人の間で、ケーキを公平に2つに分けようとする場合、皆様はどうするでしょうか。※前提として、二人は大きい方を選びたいと思っています。

私を含む殆どの方は均等になるようケーキを真っ二つに切ろうとするはずですが、実際はそう上手く切り分ける事なんてできません。どちらか一方に偏るか、外形上真っ二つに見えても数グラムの誤差は必ず出るでしょう。では仮に、その1グラムの誤差も生まない超高性能なケーキカットマシンを作る、もしくは購入し、それを使って切り分けたのならば、もちろん不平不満は生まれず二人は大満足です。

この様に結果や結論の正当性を追求する考えを実体的正義と言います。

しかしケーキを切り分ける為だけに費やす時間や労力、コストを比較考量すれば、この方法は現実的ではない事が分かるはずです。

一方で、実体的正義の対義となる手続的正義という考えがあります。

手続的正義に基づいた方法としては、1人がケーキを二つに切り、ケーキを切らなかった人が好きな方のケーキを選ぶ。残ったケーキを切った人がもらうというルールを設定する事です。

ケーキを切る人は自分が損をしないよう均等に切ろうとするはずです。結果、誤差が出て小さい方を選ぶ事になったとしても、自分が思うように切ったのだから納得せざるを得ませんし、対して選ぶ側も自分が大きいと思う方を自分で選訳する訳ですから、当然不満は残りません。

この様に、厳密に真っ二つではなくても、双方が納得するルールやプロセスがあれば是とする考え、これを手続的正義と言います。予め手続きを決めることによって、お互いに納得できる結論を引き出すことができるという事です。

そのため、意思決定に至るまでの過程において、正当性と公平性が両立されていれば是としてみなされる、所謂”擬制”を根底に過程の組み立てを意識する事で、実例もなく正解が不明確な中での決断や、50:50、功罪相半ばする諸問題への難しい判断の場においては、手続的正義(意思決定に至るまでのプロセスを重視、追及)の考え方が活きてくるのではないでしょうか。

何かの判断や決断において迷いが生じた際、手続的正義の考え方が少しでも皆様の一助となれば幸いです。

事務次長 足立

2024.08.03

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