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組織衰退の原因とは

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寒暖定まらぬ日が多く、体調を崩しやすい季節となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。

表題の件ですが、少しセンセーショナル且つセンシティブな表現である為、賛否は大きく分かれるかと思います。

しかし、たとえ小さな石でも一石を投じる必要があると考え、あえてこの表題にしました。

私たちの業界は需要こそあるものの、対する供給が全く見合っておらず、一部では斜陽産業と揶揄されるこの業界において、組織存続のためにはドラスティックに変革のハンドルを切らざるを得ない場合があります。

また、社会課題となっているこの業界での人手不足、これをワンイシューとし、数ある重要課題の中からトリアージしてまでも対策を迫られている企業は数多くあるかと思います。

しかし、そんな人手不足で頭を抱えている中、ふと内省してみるとどうでしょうか。

身を削りましたか?思考停止していませんか?できない・しない言い訳探しに汲々としていませんか?

と、人手不足の現場で削る身が無くなるまで、満身創痍で駆けずり回っている職員に問いかけられたとしましょう。ここで胸を張って、詳らかにこたえることができる組織は、果たしてどの程度存在するのでしょうか。

賃上げを推進する政府に対し、雇用主への負担緩和措置は些末な施策ばかり。特にこの業界においては非営利性、要するに利益追求が許されず、保険制度の建付けで報酬を得る事を原則としています。

また、業界そのものはブルーカラーのイメージが強く、敢えて選択肢にいれる仕事ではないと考える人も中にはいるかもしれません。労働と報酬が等価ではなく、仮に等価とまではいかずとも、見合っていない、だから人も集まらない。

ただ、これらは全て環境要因を免罪符にしているだけに過ぎず、単なる他責思考です。

事実、それらの外因に対してある種の母集団形成はあるでしょう。

しかし、企業努力はきっちりと惜しみ、労働者には自助努力を強いる、そんな一方向の依存が果たして健康的でしょうか。

かの渋沢栄一は「相互扶助の関係を崩してまで非道徳的に利潤のみを追求すれば、それは暴利であり、暴利は人を喰らう、生産殖利の経済と、公益追求の道徳は合一であるべきだ」と。

人手不足で頭を抱える組織、即ちそれは、人が喰われている事と同義ではないでしょうか。

廓清すべき腫瘍は明白でも、旧態依然のまま座して死を待つことを選ぶのか、身を削り、持ちうる知恵の全てを絞って生き残る事を選ぶのか。

生き残るための戦略、それは難しく考える必要もなく、単純明快。

企業努力です。

戦術こそ深慮すべきでしょうが、戦略は大局的な計画、ビジョンなので分かりやすいものです。

生き残る事を作戦とし、企業努力を標榜に戦略を立案、そして戦術を展開する。

もちろん、企業努力に精を出している組織もあるかと思います。その様な組織は少なくともエンゲージメントの水準が高く、帰属意識の育みにも大きく寄与している事でしょう。

一方で、政官業と同じく、椅子の座り心地に満足し、改革どころか、改善するリアクションすらとらないカウチポテトのようなマインドの組織。またはイノベーションを体内に侵入した細菌かのように、過剰に免疫反応を起こすサイトカインストームが如く、体外へ排出、排斥しようとする組織も中にはあるでしょう。

改革は現状否定の観点で、改善は現状肯定の観点で進めていくものですが、要は現状を肯定も否定もできない組織は、スクラップアンドビルド、創造的破壊でリビルディングした方が健全な組織に生まれ変わるのではないかと思います。

企業努力を惜しみ、凋落の一途を辿った先に見える景色は果たして何色でしょうか。

少なくとも私は、そんな景色を見たくもありません。

次長  足立

2024.11.04

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