「おもてなしの心」
大阪万博が開催されている今、これまでにも増して、日本国内に大勢の外国籍の方々が訪れ、日本の文化に触れられています。外国籍の方々の中には『おもてなしの国、日本』が提供するサービスや接遇に感動される方も多いようです。今回はそんな「おもてなし」について触れてみたいと思います。
「おもてなし」の語源は諸説あるようですが「おもてなし」の「お」は丁寧に言う時の「お」。「もてなし」は「持って成す」という意味があり「心を持って成し遂げる」という意味合いがあるそうです。一般社会では「おもてなし」とよく似たイメージで「接遇」「マナー」などの言葉をよく耳にしますが「接遇」は接客の際“おもてなしの心を形にしたもの”であり、「マナー」は相手に嫌な思いをさせないためのもの、最低限のモラルのようなものであるとされています。
サービス業と呼ばれる業界では必ずと言っていいほど「接遇」について学びます。「接遇」のひとつひとつには「おもてなしの心」がたくさん詰まっていて、例えばお部屋に入る際のノックの回数では“トイレは2回”“お部屋は3回”とされています。それはトイレはただ「中に人が入っているかどうかが分かればよい」ということからノックは2回、一方お部屋は、中にいる人が他人に見られたくない格好をしていたり、人に見られたくない物、人に聞かれたくない話をしているかもしれないということを前提に、ゆっくりと3回ノックします。このように「今から入りますよ~」という合図を送ることで相手が慌てなくてよいように、人を迎え入れる準備を整えることができるように配慮する。お互いに気まずい思いをしなくてすむように心配りをするという意味があります。会議室などで極秘書類を机上に出して話している時に、突然人が入ってきたら誰でも焦りますよね、そういった“相手の人へのおもいやり”が「接遇」なのです。他にも扉の開け方、締め方、お茶の出し方など、全ての「接遇」には「相手を思いやる心」=「おもてなしの心」が凝縮されています。こういったおもてなしの心がサービスを受けた人に「自分は大切にしてもらった」という印象を残しCS(顧客満足度)につながるのです。
私が介護の仕事を始めた当時、上司から「介護は究極のサービス業ですよ」と教えていただきました。世の中に数あるサービス業の中で、他の比ではないほどお客様との距離が近くその方のプライバシーや個人情報に触れる機会があります。本来、人に知られたくないこと、見られたくないこと、個人の尊厳に関わることに触れる仕事だからこそ、専門職としての知識や技術は勿論ですが、正しい接遇を身に着けて、適切な対応ができるようになりたいです。
なにはともあれ、大阪万博、行ってみたいな。。。。。
久保